ミステリーを読む前は、青春小説ばかり読んでいました。今でも一番好きなジャンルです。
何も考えずに好きな作品を選んだら、中学生、高校生、大学生と年代はバラけましたが、5作品中3作品が直木賞受賞作になってしまいました。でも文句なしで面白いので、気にせず紹介していきます。
青春小説を探している人
学生時代を思い出したい人
爽やかな気分になりたい人
熱い小説を読みたい人
全力でおすすめできる青春小説を紹介
GO / 金城一紀
あらすじ
在日韓国人で高校三年生の杉原は、ケンカや悪さに明け暮れる日々を送っており、警察にも煙たがれる存在だった。
ある日、杉原はパーティで桜井という少女と出会い、意気投合する。毎週土曜日にぎこちないデートを重ねて、徐々にお互いの気持ちが近づいていくようになる。そんな時、親友のジョンイル(正一)が、些細な誤解から日本人高校生に刺されて亡くなってしまう。敵討ちを持ちかけられるが、賛同できない杉原は、桜井に救いを求め、勇気を振り絞って自分が在日であることを告白する。しかし、桜井は、両親から国籍の差別意識を刷り込まれて育っていた。
感想・おすすめポイント
直木賞受賞作で、恋愛小説としても秀逸です。軽快な文体も好みです。
国籍を気にして生きたことはないけど、それは自分が日本人だからなんだろうなと思います。
在日であることを告白してからラストまでが最高です。
- 出版社 : KADOKAWA
- 刊行日 : 2000年3月30日
- 文庫 : 240ページ
Mr.Childrenの「youthful days」は桜井さんがこの作品を読んで作った名曲です。
4TEEN / 石田衣良
あらすじ
テツローとジュンはごく普通の中流家庭で育ち、病気入院しているナオトは高層マンションに住んでいる。そこにDVの父親を持つダイを加えた、月島に住む中学2年生男子4人組の物語。病気、恋、性、死、暴力、友情を通して成長していく少年たち描いた連続短編小説。
感想・おすすめポイント
これも直木賞受賞作です。伊坂幸太郎の「重力ピエロ」、東野圭吾の「手紙」を差し置いての受賞というだけで、読む価値があるってもんですわ。
4人が作品の中で少しずつ大人になっていく様は、すがすがしかったです。
- 出版社 : 新潮社
- 刊行日 : 2003年5月22日
- 文庫 : 329ページ
続編にあたる、6TEENも出ていて、成長した4人に会えます。
階段途中のビッグ・ノイズ / 越谷オサム
あらすじ
県立大宮本田高校軽音楽部の2人の上級生が不祥事で退学処分となり、軽音部も廃部の危機に立たされていた。唯一残った部員の神山啓人も存続を諦めていたが、幽霊部員であった九十九伸太郎が現われ、校長に直談判した結果、条件付で部の存続を認めさせることに成功する。その条件とは部の活動に一定の制限をかけることと、半年以内に何らかの成果をあげること。2人は文化祭「田高マニア」でライブを成功させることを目標に活動を再開する。
感想・おすすめポイント
熱い中にも爽やかさも感じられるこれぞ青春小説!という作品です。
部員だけでなく、先生たちも個性的で好きです。クライマックスのライブシーンは最高でした。
作中演奏曲
- Redundant / Green Day
- Basket Case / Green Day
- We Will Rock You / Queen
- Blitzkrieg Bop / Ramones
- All I Want / The Offspring
- Rock And Roll All Nite / Kiss
洋楽より邦楽の方が好きですが、それでも高まる選曲でした。Green Dayが好きなので、1曲貼っておきます。
- 出版社 : 幻冬舎
- 刊行日 : 2006年10月25日
- 文庫 : 341ページ
何者 / 朝井リョウ
あらすじ
御山大学演劇サークルで脚本を書き、人を分析するのが得意な拓人。
何も考えていないように見えて、着実に内定に近づいていく光太郎。
光太郎の元カノで、拓人が思いを寄せる実直な瑞月。
「意識高い系」だが、なかなか結果が出ない理香。
就活はしないと宣言しながら、焦りを隠せない隆良。
22歳の大学生5人は、それぞれの思いや悩みをSNSに吐き出しながら就活に励むが、内定を取った「裏切り者」が現れ、抑えていた本音が露になる。
感想・おすすめポイント
初めて読み終えたとき、衝撃を受けました。朝井リョウ作品を読みまくるきっかけになった作品です。
作中に「アカウント名」で登場人物たちのSNSつぶやきが書かれています。表面上の発言と隠している本音の書き分けが巧すぎます。学生の方にも、かつて学生だった大人にもおすすめできる傑作です。
- 出版社 : 新潮社
- 刊行日 : 2012年11月30日
- 文庫 : 346ページ
「何者」の続編にあたる短編集「何様」もあります。
キケン / 有川浩
あらすじ
成南電気工科大学のサークル「機械制御研究部(略称【キケン】)」の部長・上野、副部長・大神の二人が率いている。キケンの集団は、日々発生する、人間の所行とは思えない事件、悪質な実験や破壊的行為から、キケン=危険として周囲から怖がられていた。しかし、彼ら理系男子たちは爆発的な熱量で日々の研究に取り組んでいた。
感想・おすすめポイント
キャラが個性的で、とても読みやすいです。有川浩作品なのに、恋愛がほぼなく、娯楽要素が多いです。
学生時代の事を思い出してしまうシーンが多くあり、工学部出身なので、懐かしく感じました。
ラストシーンも素晴らしかったです。理系大出身者にはもちろんおすすめですが、女性が男子特有の雰囲気を味わえるので、女性にこそ読んでもらいたい作品です!
- 出版社 : 新潮社
- 刊行日 : 2010年1月21日
- 文庫 : 356ページ
記事を書いていたら全作品読み直したくなりました。
未読の作品があったら是非読んでみてください!
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